武蔵野陽和会病院 放射線科 解説

新しいCT装置の紹介

マルチスライス CT Aquilion16

6月上旬から放射線科で新しく稼働しているマルチスライスCT Aquilion16(東芝製)についてご紹介したいと思います。

旧CTのX線検出器は4列でしたが新機種では16列となり、一度に得られるデータ量は著しく増加し、ガントリー内の管球・検出器の一回転速度(360度)は0.5秒(旧は0.8秒)でこの結果、約50cm範囲の胸部或いは腹部・骨盤腔のルーチン撮影は患者様の息止め13秒程度(旧CTでは25秒程度)で撮影出来る様になりました。また、0.5mmまたは1mmのIsotropic voxel data(0.5mmまたは1mm立方体のX線吸収値)がルーチン検査で得られる様になり、従来使用してきた横断像と同時に必要に応じて横断像と比べて遜色の無い冠状断像、矢状断像も作成することが出来るため、異常所見の検出が容易で上下方向の病変の広がりも容易に認識でき、診断能の向上に役立っています。

またX線管球が大容量になり、100cmを越える広範囲を一気に撮影したり、腹部のダイナミック造影検-査(造影剤を静注後、同じ部位を短時間間隔で経時的に撮影)が容易に行え、これら検査が連続しても、管球のオーバーヒートで検査を中断することが無くなりました。

三次元画像の作成は旧CTでは撮影時間が十分掛けられる整形外科領域の骨折部位に限られていましたが、新装置では広範な範囲の精密なdataを短時間で収集できる能力から、血管造影や排泄性尿路造影の3D画像の作成が頻繁に行われています。

将来的には現在、厚生省の班研究で検査法の確立が進められているCTコロノグラフィ(内視鏡のように大腸の内腔の画像を得る方法)、CTブロンコグラフィー(気管支内腔の画像)などの仮想内視鏡検査も行いたいと思っています。

放射線科医長 土井 修

 

:腹部大動脈瘤(血管造影3D画像)

図1 腹部大動脈瘤(左:血管造影3D画像 右:冠状断)

肺がん(矢状断、冠状断)

図2 肺がん(左:矢状断 右:冠状断)