泌尿器科 治療法解説

1 前立腺ガンに対する高密度超音波治療(HIFU)について

転移のない前立腺ガンに対する主な治療法

1 前立腺全摘術 標準的治療法
  前立腺癌に対して標準となる治療  デメリット:長い入院期間、出血
2 放射線治療 低侵襲治療法
  内部照射(短期入院)と外部照射(通院7週間) デメリット: 放射線障害
3 HIFU 低侵襲治療法
  高密度超音波による発熱を利用して治療  デメリット: 尿道狭窄

当院では平成15年8月に前立腺ガンに対する高密度超音波治療(High-intensity Focused Ultrasound=HIFU治療)を開始しました。HIFU治療は、前立腺全摘手術に代わる治療法の一つとして、放射線治療などと同様に前立腺ガンの根治目的で行われます。患者様への身体的負担が軽いため、心臓疾患や年齢などにより、手術を受けたいが困難である患者様や、あえて手術治療を希望されない患者様に用いることが可能です。治療器も進歩し、現在では1時間から1時間半程度で治療が終了します。すでに当院でも、平成18年12月までに合計97名の患者様に、本治療を行いました。うち、88名が根治目的の患者様で、8名は2回目の治療を行いました。まだ長期成績はでていませんが、これまでの4年半の成績では、早期で危険度の低い前立腺ガンであれば非再発率は90%以上で、ほぼ期待通りの治療成績が得られています。

本治療法の利点としては、何よりも患者様への肉体的負担が軽いことがあげられます。入院は4日ほどで、下半身麻酔で行います。出血は殆どありません。副作用(合併症)としては、尿道狭窄、勃起障害、などがありますが、一時的な尿道狭窄症状を除いて、手術より高頻度または重度のものはありません。かなり重度の合併障害をお持ちでも治療を受けることが可能です。当院では基本的に手術が受けられる患者様には根治手術をお勧めしていますが、それに代わる低侵襲治療として、本治療法をご用意しています。ただ、現在まだ保険適応はされておりませんので自費となります。治療や費用について、お話をお聞きになりたい方はご遠慮なく当院泌尿器科にご相談ください。

HIFU治療器SonabrateTM(TM)500

図1 HIFU治療器SonabrateTM(TM)500(現在の機器と若干異なります)

高密度超音波の前立腺への照射

図2 高密度超音波の前立腺への照射

HIFUによる治療の実際

図3 HIFUによる治療の実際